Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第1回「All of the Gangster」The Damage

f:id:bustaskill:20170922194327j:plain

ArtistThe DamageUSA
Title
All of the Gangster (2010)

Songs
01 Sad Era
02 Crazy hunter
03 Rice and wheat
04 God father
05 Bomb
06 In the fence
07 The Gangster
08 Song in the water
09 Strange dog
10 Lemon squeezing
11 The king
12 Arrest

2000年に彗星の如く現れたアメリカアリゾナ州出身の3人組バンドThe Damage。ファーストアルバム「The Mistake」がアメリカでゴールドディスクを受賞し、新人アーティストとしては異例のスピードでスターダムを駆け上がった。しかし、2001年にメンバー間のトラブルにより活動停止。

その10年後、2010年に突如セカンドアルバム「All of the Gangster」を発表。フロントマンのElijah Benjamin(Vo.Gt.)が活動停止期間に1人で書きためた曲の中から厳選されたナンバーが収録されている。

The Mistake」の繊細で綿密に計算されたサウンドを捨て、シンプルで荒削りなサウンドが多いこのアルバムは全世界の音楽ファンにファーストアルバムリリースに続き2度目の衝撃を与えた。ほとんどの楽曲がアコギ、ウッドベース、ドラムのみで構成されており、比較的ミドルテンポな曲が多い。

活動再開を宣言するような01「Sad Era」、活動停止期間の10年間を歌った03「Rice and wheat」、どこかニールヤング彷彿させるようなメロディーの08「Song in the water」、11「The king」などオールドロック的な楽曲もあれば、すべての楽器にエフェクターを多用した02「Crazy hunter」、07「The Gangster」。ボーカルの多重録音を使った05「Bomb」など音楽的実験作も多く収録されている。

しかしアルバム全体は不思議とまとまった雰囲気を魅しており、聞き応え十分な12曲だ。2013年の武道館でのライブ以降1度も来日しておらず、次の来日が待ち遠しいバンドである。

 Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。