Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第22回「Control Kitchen」The Smoking Apes

f:id:bustaskill:20180223010706p:plain

Artist:The Smoking Apes(U.S.A)
Title
:Control Kitchen(2012)

Songs
01 Control Kitchen
02 Two years
03 Poverty of the island
04 Black Laser
05 Old story
06 Ice
07 Wonderful life
08 The answer quagmire
09 Force from the sky
10 Monkey of slums
11 Dear James Dean

Rage Against the Machineは「レッド・ツェペリンとパブリック・エネミーの融合」と呼ばれた。そして2012年「レイジの息子」と呼ばれるバンドが出現した。政治的なメッセージが強いラップを、ハードなサウンドで表現する彼らは、まさにRage Against the Machine二世といっても過言ではない。彼ら自身もRage Against the Machineから影響を受けたと語っており、さらには、本家Rage Against the Machineのギタリスト、トム・モレロが彼らをネットで絶賛したことから知名度は一気に上昇した。

そんなThe Smoking Apesの1stアルバムがこの「Control Kitchen」である。このアルバムは、2012年の最重要アルバムにも選出され、全米売り上げ300万枚を達成した。MC、ギター、ベース、ドラム、キーボードの5人編成で、サウンドの軸となっているギタリストのBrown Jayden(Gt.)は、2013年、エリック・クラプトン主催の「クロスロードギターフェスティバル」にも出演し、多くのレジェンド達と共演し名演を披露した。

政治性の強い歌詞や、「レイジの息子」のようなキャッチフレーズが先行し、バンドのサウンドについては少々偏った見解が多く見られるバンドでもある。サウンドの軸はもちろんギタリストBrown Jayden(Gt.)の生み出すキラーリフなのだが、The Smoking Apesのオリジナリティを形成しているキーマンは間違いなくキーボードのCarter Jackson(Key.)だ。バンドインタビューでも、曲の構成やアレンジは彼が主軸となり制作していると話している。

Brown Jayden(Gt.)が製造する必殺ギターリフが、彼の幅広い音楽知識とセンスを経てThe Smoking Apesオリジナルのロックンロールサウンドに進化する。そこにMCMichael Owen(MC)の直接的で生々しいリリックが乗ることで曲は完成する。決してレイジの真似事ではないことが曲を聴けばわかるだろう。

日本では、07「Wonderful life」が車のCMに起用され、多くの人たちが彼らを知るきっかけになったことだろう。そして、2017年には米コロラドで、反戦チャリティーコンサートを開催し、およそ8000人もの観客を動員し話題を呼んでいる。そんな今、最も勢いがあるバンドといっても良い彼らの原点「Control Kitchen」をもう一度聞いてみてはどうだろうか。

 

Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。