Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第20回「Flashback」White Stone

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ArtistWhite StoneU.S.A
Title
Flashback (1987)

Songs
01 Come in the night train
02 Shake your hips
03 Passionate romance
04 Playing
05 Devil's forest
06 Shock wave
07 Crazy Love
08 Run and Gun
09 Feedback Angel
10 Free
11 Take the point
12 Demon of summer

1980年、アメリカ東海岸からデビューしたWhite Stone。当時、同じく東海岸出身の先輩バンド、Aerosmithを追うように多くのロックファンを虜にした。このアルバム「Flashback」はWhite Stone通算5枚目のアルバムであり、彼らが自分たちの原点に回帰しながらも、常に新しさを求め続けた結晶と言ってもいいだろう。80年代的なゴージャスさがありながらも、非常に泥臭く脂っこい。アルバムを通して切れ味のいい疾走感と無骨で男臭い匂いが充満していて、80年代の産業ロックを必死に抜け出そうとする彼らの鼓動がひしひしと伝わってくる。

01「Come in the night train」から05「Devil's forest」まで、ハードでアッパーなロックンロールが怒涛のように走り抜ける。特に、Jim Silas(Gt.)の爆発するようなギターサウンドは必聴である。プロデュサーがSteve Damianに変わったことにより、White Stoneの要であるJimのギターがより聞き取りやすく、切れ味のいいバチっとした印象で、今までのアルバムよりも脂が乗っている。さらに、喉の手術を成功させ完全復活したボーカルRick Theodore(Vo.)のブルージーで激しい歌声も存分に堪能することができる。

07「Crazy Love」、11「Take the point」はライブでは必ず演奏される彼らを代表するバラード曲であり、後に多くのバンドがこの名曲をカバーしている。また、俳優であり、無類のロックンロールファンとして知られるDave Walterは、世界で最も偉大な曲はWhite Stoneの「Take the point」だと絶賛。

1994年にRickの薬物が原因で一時活動を休止し、事実上解散状態となっていたが、2001年にオリジナルメンバーで再結成され、2012年のFUJI ROCK FESTIVALにも参加している。ちなみにアルバムジャケットはThe Rolling Stonesの「Sticky Fingers」のオマージュであり、White Stoneの「Sticky Fingers」を目指したとRickは語っている。

 

Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。