Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第13回「High tide blues」The Golden Roads

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ArtistThe Golden RoadsAustralia
Title
High tide blues(2004)

Songs
01 High tide blues
02 Crossroads of torrent
03 Dust box Rock
04 Vanish town
05 Dopeness click
06 Tightrope walking blues
07 Good thing
08 Mic check Road
09 Red season
10 Jimmy punk
11 Sympathy for the Devil Cover

1960~70年代のロックンロールを聞いて育った、オーストラリア出身のThe Golden Roadsの1stアルバム。彼らの1年先輩、同じくオーストラリア出身JETの前座をアマチュア時代からこなしていた彼らの楽曲は、変化球なし直球一本勝負だ。オーストラリアからはなぜこんなにもパワー溢れるバンドがたくさん生まれるのだろうか。1曲目から最終曲まで一気に駆け抜けるその潔さは、実にあっぱれである。

ザクザクしたギターリフ、どこかぶっきらぼうでしゃがれたボーカルはロックンロールの学校をしっかり卒業した証である。全体的にアップテンポな楽曲がほとんどだが、ビートルズを彷彿させる04「Vanish town」。ピンクフロイド的アプローチの、07「Good thing」。ロックバラードの王道進行やコーラスが心地よい、09「Red season」など、バラード楽曲も絶品である。

この手のバンドは良くも悪くも、オリジナリティーがないと評価されることが多いが、彼らからは、そんな事はどうでも良いという感じがひしひしと伝わってくる。「好きなものは好きなんだ。だからなんだ。」と言わんばかりの姿勢は非常に好感が持てるし、なにより聞いていて心地よい。ストーンズの名曲カバー11「Sympathy for the Devil (Cover)」の原曲に忠実なアレンジからは、彼らのそういった姿勢が良く表れている。

惜しくもデビューから2年で解散してしまったが、オセアニア発、AC/DCを母としたオージーロックの息子たちの熱い活躍をこれからも期待したい。

Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。