Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第12回「GLORIA」The Rainy Sundays

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ArtistThe Rainy SundaysIreland
Title
GLORIA(1999)

Songs
01 Benevolent children
02 Bible
03 Apocalypse Rock
04 Jesus
05 Crime and Punishment
06 Morning fog
07 Riding on the night train
08 Classic car
09 In front of the mother's grave
10 After his death 100 years

世界が来る21世紀を前に騒がしかった時代、20世紀最後の年にリリースされたアイルランド出身の5人組 The Rainy Sundays の1stアルバム。バンドメンバー全員がクリスチャンであり、それが曲名や歌詞に色濃く反映されている。

作詞作曲はフロントマンであるDevitt Murphy(Vo.)。ほとんどの曲が、Murphyが10代の頃から書きためた詩や曲であり、Murphy自身が、当時のインタビューで「聖書の言葉ほど美しいものは無い。」と断言しているだけあり、歌詞の中には聖書の言葉が多く使用されている。

01「Benevolent children」心地よいギターのアルペジオの中「In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God(初めにことばがあった。ことばは神と共にあった。 ことばは神であった。)」と高い声で歌われる。この冒頭こそ、このアルバムを最も象徴するものであろう。02「Bible」のサビでは、激情的なバイオリンに合わせて、「This is my commandment, that you love one another as I have loved you(わたしのいましめは、これである。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。)」と繰り返す。ほとんどの楽曲が神や、生と死などについて歌われており、かなり好き嫌いが分かれるバンドではあるが、楽曲自体のクオリティーは非常に高い。

紅一点であるバイオリンのCara Kellyは町の聖歌隊や、オーケストラの団員としても活躍しており、その演奏技術は素晴らしい限りだ。このバイオリンの音が他のバンド楽器と合わさり、非常に聞き応えのある楽曲に仕上がっており、まさに、ロックの可能性を広げた一枚と言えるだろう。

Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。