Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第10回「The secret woman」Black cream

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ArtistBlack creamU.K
Title
The secret woman (1970)

Songs
01 Electric tongue
02 Girl secret of town
03 Morning light
04 The story of a man
05 Black beans White beans
06 Hot coffee blues
07 Happiness is the needle
08 Oasis
09 Girlfriend Company

40年以上長きにわたり、コンスタントに活動を続け、90年代以降のオルタネイティブ世代に再度支持されるなど、世代を超えた評価を獲得しているYoung Rush(Vo.Gt.)。このアルバムは、Black cream時代の彼の代表作と言えるだろう。セールス面ではセカンドアルバム「Youth of wall」の方が上だが、Black cream時代のYoung Rushを語るなら、やはりこのアルバムである。

アコースティクなカントリー、ロック、ブルース、ピアノの弾き語り、歪音のギターソロなど溢れ出る気持ちを思いっきり叩き付けるような多彩な曲と演奏は、固定概念にとらわれない、彼の柔軟さの現れだろう。時代が移り変わるにつれてやってくる希望や、葛藤、内省的なセンチメンタリズムや、政治的視点など、あの時代ならではの空気感や匂いを、このアルバムは強烈に発し続けている。

Young Rushソロ名義のアルバムや、RushYoung band時代の楽曲は、アコースティクな楽曲がほとんどだが、Black cream時代の彼の音は歪音がメインである。01「Electric tongue」は、まさにBlack cream時代の彼の音の象徴とも言える楽曲であろう。

Young Rushが当時、時代に吐いた叫びは、今もなを放電されること無く、大量の電気を帯びて現代に存在し続けている。

Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。