Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第5回「Amazing」Red theater

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ArtistRed theaterU.S.A
Title
Amazing (1985)

Songs
01 Towards tomorrow
02 Girl secret of town
03 Now if you change
04 She groupie
05 Beginning of the wheel
06 Train of Tears
07 Runaway Train
08 Angel
09 Fireworks and beer
10 Magic Magic word

1980年代中頃、アメリカ西海岸では、長髪に派手なメイクの美男子たちがまるでアイドルの様にもてはやされた。そう、L.Aメタル全盛期である。82年にモトリークルーがデビューし、その後すぐにラット、シンデレラ、ポイズン、ドッケンなど、あげればきりがないほど数多くのメタルバンドが登場した。もちろんRed theaterもその一員だ。どのバンドも長髪のソバージュ、露出の多い派手なタンクトップや、レザーパンツ。そして女性顔負けのメイクでビッグステージを駆け回る。彼らの派手なメイクや衣装から、ヘアー・メタルなどとも呼ばた。

当時開局したばかりのMTVでも次々と彼らのPVが流れ、L.Aメタルの波は瞬く間に大きくなった。当時は日本もバブル景気真っ直中。町中がネオンサインと高級外車で溢れ、今では考えられない様な光景が日常として機能していた時代。しかし、そんな日常は長く続くはずも無く、バブルがはじけ、L.Aメタルの波も90年代に入り、衰退していき、NIRVANAの登場でL.Aメタルは輝きを完全に失っていった。

Red theaterも例外ではなく、時代の新しい波に乗ることができず、1991年に解散。2011年に一度再結成されるが、それも長くは続かなかった。

L.Aメタルや、ヘアー・メタルバンドの楽曲は、メタルというよりはポップな作りで、万人受しやすいメロディーが主流だったが、Red theaterはその中でも比較的、ロック志向の強い楽曲が多い。60年代後期から、70年代のロック的要素も強く、01「Towards tomorrow」のようないわゆるL.Aメタルっぽい楽曲以外にも、06「Train of Tears」のようなオールドロックファンも唸るような楽曲も多い。派手な見た目や会場にばかり目が行きがちだが、色眼鏡を外してみるとなかなか名曲も多いバンドである。09「Fireworks and beer」は2000年代を代表するバンドScrewdriversにカヴァーされたことでも有名である。

また、楽曲以外にも、いかにもなジャケットも当時ならではだろう。ちなみにジャケットの猫は、3段変形ギターで有名なギタリストChrys land Wildの飼い猫であるという噂が広まったが、事実は不明である。

Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。