Liar Jack Records

存在しないアーティストの存在しないディスクレビュー。頭の中で音を鳴らせ。

第2回「The People」The People

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ArtistThe PeopleU.K
Title
The People (1969)

Songs
01 Captivating song
02 Head of illusion
03 Foot and eye
04 Morning
05 Blindness girl
06 Prayer of lake
07 Withdrawal symptoms
08 MorningⅡ
09 Night factory

1970年代、このバンドほど過小評価されていたバンドがあっただろうか。数々の伝説的バンドが誕生した1960~70年代のイギリスにて、当時RCM在学中だったCass Adele(Vo.Gt.)を中心に結成されたThe People

メンバー全員がRCMの出身であり、歪んだギターにパワーのあるドラム、アレンジに富んだベース、その中にクラシック音楽の要素がちりばめられた楽曲は当時の最先端であっただろう。しかし、奇しくも同時期にファーストアルバムをリリースしたLed Zeppelinにその人気は集中し、彼らは日の目を見るには至らなかった。当時アトランティックレコードだったLed Zeppelinに対して、弱小レコード会社だったことも彼らの過小評価の原因だったのかもしれない。

01「Captivating song」04「Morning」05「Blindness girl」のギターリフは1970年代のものとは思えないほどキャッチーで先鋭的である。まさに名リフと言って良い。08「MorningⅡ」におけるDon Randolph(Dr.)のドラムプレイは、ボンゾのドラムと良く似ており、独特のリズム感にパワーのあるプレイは圧巻である。また、中南米の民族楽器チャランゴや、ケーナを使用した09「Night factory」からは、彼らの音楽知識の幅広さや、演奏技術の高さを感じさせる。

ファーストアルバムリリースから2年後の1971年に精神疾患に犯されたフロントマンのCass Adele(Vo.Gt.)は、自宅のキッチンで自らの命を絶った。それと同時にバンドは解散、たった1枚のアルバムのみでバンドは終焉を迎えてしまう。当時、誰かがThe Peopleの音楽的才能を評価していたら、時代の寵児となっていたかもしれない。

 Design&Text: BustaSkill

 

これらのバンド、ジャケット、曲名などは全てフィクションであり、登場する人物、団体等、名称は実在のものとは関係ありません。脳内で音を鳴らしてお聞きください。